ナースエンジェルネタ
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あらゆる怪我や病気に対し、劇的な効果を発揮する緑のワクチン。この奇跡の薬も、しかし使い方を誤れば、はげしい禁断症状をともなう、麻薬としての一面も併せ持つ。
ある時、一部のマフィアが、このワクチンの影の部分を強化した通称黒のワクチンを生み出す。それは瞬く間に広まり、世界は悪しき心に取りつかれた人々であふれかえった。
これに対し、王国政府は、急遽対策に乗り出した。緑のワクチンの使用を制限し、黒のワクチンを取り締まるのこの規制は、野性種を含むすべての命の花を国の管理下に置くことで莫大な利益を得ようとした、一部の貴族たちの思わくがあったと言われている。
緑のワクチンの使用制限はおおむね成功したが、黒のワクチンと命の花に関する取り締まりは、なかなか成果が上がらなかった。それどころかそれらに関わる犯罪はますますエスカレートしていった。
業を煮やした貪欲な貴族たちは、ここに禁断の生物兵器の開発を開始する。
生まれつき黒のワクチンに対して耐性のある子供たちをあつめ、様々な実験、研究の対象とし、数多くの子供たちが犠牲になっていった。
その悪魔の実験は、結果、一人の救世主を生んだ。緑のワクチンの力で様々な超能力を発揮し、黒のワクチンでさえ浄化する、究極の対黒のワクチン兵器の開発に成功した。ナースエンジェルの誕生である。
これまでの研究の結果、ナースエンジェルの能力は、ほぼ10歳の頃しか発揮されないことがわかっていた。限りある時間の中で、彼女は、賢明に戦った。
しかし、世のどこかに命の花がある限り、黒のワクチンは存在し続け、その戦いには永久に終わらない。そのことを悟った彼女は、存在するすべての緑と黒のワクチンを対消滅させ、苗や種子を含むすべての命の花の生命を自らの体に封印し、そして消滅した。
それは、彼女や子供たちの体を弄び、命の花の独占による利益を目論んだん人間へのささやかな復讐だったのかもしれない。
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